ACID ANDROID LIVE 2021 #1 Veats shibuya

2021.07.24(sat)

ACID ANDROID LIVE 2021 #1

Veats shibuya

 

 

 

 

開演時間ギリギリの到着となってしまい、場内に入り一息つく間もなくSEのボリュームが大きくなって暗転。心の準備ゼロで迎えた#1の最終日。

 

 

なんと、yukihiroさんの襟がふわふわ!どうやらフリルの立襟だった模様。貴族的な雰囲気をまとっています。

髪が少し伸びたように感じました。全体的にアイロンでしっかりとストレートに整えている印象で、毛先は外ハネ。フォロワーさんがおっしゃるとおりクラピカに見えて仕方ありません。このヘアスタイルすごい好きだなあ。

 

echo

今日でツアーラストということもあり、いろいろな思い出がよみがえってきました。初日の新潟がとても昔のことのように思えます。

これまでのことを思い出しながら聞くyukihiroさんの声はとても心地よく耳に浸透してきて、改めてこの人の歌声が大好きだと感じました。生で聞くことができ本当に幸せです。

LEDの光がパキッと鮮やかで、クリアな輝きに感動しました。さすが新しい会場です。最新のテクノロジーの中、echoが静かにライヴを盛り上げていきます。

 

intertwine

この曲をツアーのセットリストに組んでくれたことに心から感謝します。新潟で初めて聞いたとき、嬉しさと興奮で頭を抱えたのが懐かしいです。(そして恥ずかしい)

まず始まり方からして異様なほどのかっこよさ。KAZUYAさんの気合いが注ぎ込まれたギターの音色が、静寂をスパッと切り裂いていきます。ギターに宿る明確な意思。

のっけからガツンと攻撃力の高い音をぶつけられたかと思えば、続くyukihiroさんの声はいたってクール。でもその表情や左右に体重移動しながらリズムをとっている様を見れば、決して冷めているのではないことがわかります。

ただ、この日のintertwineの歌声はものすごい清涼感に満ちていました。アルプスの雪解け水を思わせる抜群の透明感。

声の涼しさと行動の熱さとのギャップがどんどん大きくなっていき、マイクを強く握りしめたまま振り下ろすのに加えて、フリーになっている左手も下におろしたまま前へ振る(ボーリングの腕の動きに近い)など、yukihiroさんのテンションがじっくりと上昇しているのが見て取れます。

とっても驚いたのが、曲の締めにシンバルが強く鳴り響いたことでした。いつもと違う!と思ったのですが、もしかしてずっとこうでした?このパターンも個人的には好きです。

 

imagining noises

抑揚やアクセントをほぼつけない、非常に淡白な歌い方でした。そして結構高めのキーだったと記憶しています。アクセントの付け方や語尾の上げ方でものすごい煽ってくる曲だという認識がこの日でひっくり返りました。抑揚ゼロで淡々と歌うのに、曲が進むほどに胸の内側がザワザワとしてきて頭の中が沸騰するような感覚に。それはきっと山口さんのドラムやKAZUYAさんのギターが繰り返す波のように迫ってきたからなのでしょうし、それらの音を従えるyukihiroさんの揺るがない存在に、視覚的にも聴覚的にも支配された結果なのでしょう。ほんと…ACID ANDROIDってすごいな…(結局そうなる)

 

pale fire

この曲かっこよすぎません!?ライヴ始まって4曲目というポジションながら、あたかもライヴ後半であるかのような盛り上がりを私にもたらしてくれる曲です。超個人的ですね。とにかくかっこよくて惚れ直しました。

打ち込みの中に鋭く切り込んでいく生ドラムと完全に同期したyukihiroさんの一挙一動が、瞬きを忘れるほどのかっこよさ。まるですべての動きをプログラミングされたアンドロイドのように正確でありながら、力強く腕を振り下ろすたび口を縦に大きく開く姿からは熱い血の通った人間らしさが感じられます。yukihiroさんの魅力はそういった二面性にあるのでしょう。

 

勢いをつけて腕を振ることにより外ハネの毛先がかすかに震えたのに、言いようのない興奮を覚えました。この日は客席のかなり後方、PA卓の真横あたりで見ていたので細かい部分はさっぱりなのですが、照明によりyukihiroさんの輪郭が強調されていたのがとても素晴らしかったです。

 

またpale fireの素敵な点として間奏の幻想的なギターが挙げられますが、それに加えてメロの重々しい響きも渋くて最高でした。あれ生音ですよね…?

先述したyukihiroさんの二面性と同じようにこの曲にも重さと軽やかさが見事に共存していて、とっても気持ちよく踊れます。私の前にいた男性の方も踊っていらして、勝手にシンパシーを感じ嬉しくなりました。


double dare 
とにかく声が高え!(ノブ)
曲の方向性変えましたか?と思わず聞きたくなるくらい、うわずった声で歌うyukihiroさん。地声であの高さが出るのはむしろすごいのではないでしょうか。ただし…その声の高さがまた良いのです…非常に良い…。結局yukihiroさんが歌ってくれるなら私はなんでもいいのかもしれませんね。高くて、なんならちょっと甘い声でdouble dare歌うってギャップの極みですよ。don't cowerの上げっぷりに死ぬかと思いました。好きです。


KAZUYAさんギターは引き続き重々。地の底まで引きずり込む極悪ギター。
この曲定番の赤青緑の光がより鮮やか。yukihiroさんにあたる色が変わり、そしてお顔に落ちる影のかたちが変わるたび、似てるようだけどどこか違う表情に変化して見え、その結果yukihiroさんという人物も実は何人もいるのではないかというエヴァ的発想が頭をよぎる。yukihiroタイプのパイロット…初期ロット…そしてオリジナルのyukihiro


roses

この曲は最後まで今ツアーのベストアクトであり続けました。金メダルですね🥇

yukihiroさん自身は紫、ステージは緑で染まり、スモークも効果的に作用していたのか全体的に淡い色合いに。正面から照らす光はなく、シルエットのみが浮かび上がります。そして透けたシャツの下には腕のラインがくっきりと。細いながらも筋肉に覆われた長い腕に感情を乱されました。あの透け腕は国宝級です。

 

お顔は影になって全く見えないまま、曲が進行していきます。腰を抱くように手を添えるしぐさをしばらくしなかったので、今回はやらないのかな?と思ったところで左手がするりと腰のくびれあたりにすべりこんできました。その後、歌詞に合わせるかのように胸の前へ移動させ、握ったこぶしを上下させます。

少ししてからマイクを持ち替え、右手を左腰へ。そのポジションのまま手を振りリズムを取ります。キラキラと光を反射させた指輪がやけにセクシーでした。

大阪ではR18な表情で歌っていたことを思い出し、最前列の方たちは今日もそんな表情を目の当たりにしているのだろうかと気になりました。今ツアーのrosesはボーカリストyukihiroさんの独壇場で、「魅せながら歌う」スキルがずば抜けていましたよね。


スネアが堅めの音でよかったです。残響も気持ちよかったなあ。


unsaid
この曲はyukihiroさんが見えないのがデフォだと思っているのではっきり見えてしまうとちょっと戸惑います。rosesが影のみだったので尚更。yukihiroさんが一歩後ろに下がるとちゃんと(?)暗闇に溶けていきました。闇から現れたり、また闇に消えたりしながら歌うyukihiroさんを眺める時間。

"unnatural"の頭は強めの発声で"un"の部分が場内に響き渡ります。何度も繰り返される"un"に包まれるのは至福ですね。喉から絞り出されるあの声たまりません。


division of time 
闇に潜んでいたyukihiroさんが突如明るい光に照らされます。見ているこちらが驚いたくらいなので、本人は相当眩しかったのではないでしょうか。ただ、しっかりと照らされたyukihiroさんのお顔はそりゃもうイケメンでした。名古屋レポあたりからイケメン連呼しまくりでごめんなさい。あのお顔の良さをなんと表現すればいいのやら…。

yukihiroさんを照らしていた光は何かの模様になっていて、くるくると回転しながらyukihiroさんとその奥の壁に光を降り注いでいました。

 

「焼き尽くして」のバージョン違いをどこかで披露されたそうなのですが、聞き逃してて全然記憶にないのが痛恨の極み。渋谷は音源通りでした。焼き尽くしてと何度も繰り返す中で、そっとマイクを両手で包み込む所作が好きです。


chill

少し間が空いたので、お客さんもyukihiroさんも気持ちがより一層深く入り込んだchill。特に最初の"what you said"で声に力が込められていて、サポメンの2人やステージを見守るお客さん全員を引っ張っていってくれるような頼もしさが感じられました。

ステージに向けて伸びるたくさんの手、それらをしっかりと見つめるyukihiroさん。仁王立ちで凛々しく歌い上げながら、"behind you left"でこの日初めて左手を客席へ向けてかざしました。"left"のタイミングで左手を差し出してくれたことに喜びを感じずにはいられません。左手はその後マイクをガシッと握りました。

 

gravity wall 
何があっても動じないyukihiroさんの強さを感じました。曲への愛情であったり、「ライヴ」というその瞬間にのみ生み出される作品を完璧に仕上げようとするとてもまっすぐな想いがyukihiroさんの中にはたくさん詰まっているのでしょう。数秒前までとはまるで別人のようなオーラへと瞬時に切り替えた姿を見てそんなことを思いました。

 

間奏中スタンドに挿していたマイクを取ろうとした際、ケーブルが絡まっていたのか少し手こずり、歌い出す直前にようやく外せたマイクを素早く口元に引き寄せたのがめちゃくちゃにかっこよくてキュンとしてしまいました。変なところ見ててごめんなさいとも思いつつ…

 

 

諸事情によりこの日のライヴはここまでとなりましたが、とても濃密な時間を過ごさせていただきました。

#1を振り返ってみると、さまざまな制約等があったにもかかわらずステージに立つ3人の熱気やエネルギーをはっきりと感じられたツアーでした。きっとこれまでの箱ライヴよりもステージと客席との距離は遠かったはずなのですが、そのせいで寂しさや物足りなさを感じるなんてことはただの一度もありませんでした。

どの会場でもライヴの最初から最後までステージの様子をしっかりと見届けることができて、3人がそれぞれの表現方法でACID ANDROIDの楽曲に熱く向き合っている姿を見るたび、興奮と喜びで身体の中がいっぱいになりました。

 

同じ曲でも日によって見え方・聞こえ方が変わることを体感できたり、今まで気が付かなかったようなニュアンスを発見したりと、とても贅沢な楽しみ方をさせていただいたなあとしみじみ思います。

もともと魅力的な3人がライヴを重ねるごとにさらに魅力が増していき、表現方法がより美しく洗練されていく様子を見られたことも幸せ以外のなにものでもありません。予想を遥かに超えるパフォーマンスに何度ドキドキしたことでしょう。

山口さんが響かせたシンバルの音色に心が躍ったこと、色彩が見えそうなほどに豊かなKAZUYAさんのギターに身を委ねたこと、yukihiroさんの歌声や表情に心がキュッと締め付けられたこと。#1のすべての時間が幸せでした。

 

yukihiroさんたちはステージに立つにあたってさまざまな不自由を強いられたり、あらゆる行動に神経を使ったりと、想像を絶するほどの負担とプレッシャーの中でこの日まで過ごされてきたことと思います。まだまだ気の抜けない状況ではありますが、一区切りがついた今、少しでも心身を休めることができていますように。

 

"ACID ANDROID LIVE 2021 #1"

記憶に残る素敵な日々でした。

いつも幸せをありがとうございます。

また会えますように。