ACID ANDROID LIVE 2021 #1 HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2

2021.06.19(sat)

ACID ANDROID LIVE 2021 #1

HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2

 

 

 

 

宇都宮。大変なことになってました。

自力でチケットが取れず、いつも仲良くしてくださってる方から譲っていただいたのですが、この日参戦することができてよかったと毎日思っています。本当にありがとうございます…

 

ライヴの思い出を書くとき、後半の盛り上がり曲についてなかなか思い出せず苦しむことが多い中、宇都宮はその部分の思い出がとにかく強烈に残っています。いつも緩急がはっきりとしているACIDのライヴですが、これまでの3公演の中で一番顕著だったように思います。

というわけで今回はその部分から。

 

 

いつも上手に行きがちな私ですが、この日は下手の壁際へ。自分の後ろには誰もいない、かつ、前の人の間からきちんとyukihiroさんの上半身が見えるという絶好のポジション。立ち位置指定のライヴ、ありがたい…。実はyukihiroさんの姿がはっきりと見えた理由はもうひとつあったのですがそれはまた後ほど。

 

ライヴが進み、ある曲で最初の波がきます。ドラムの音がとてもクリアに聞こえ、軽快なリズムが最高に心地良い。

新潟の一件から今まで以上にこの曲での左手を気にするようになってしまい「さてさて今日はどんな左手を見せてくれるのかな…?」とだいぶ気持ち悪いこと考えてながら見ていたら、指を素早くシャカシャカと動かしながら胸の高さくらいまで持ち上げてきてちょっと意味がわからなかったです。(もちろんいい意味で。イレギュラーな左手に固まりました)これまでの流れだと手のひらをフロアへ向けたり、人差し指立てたりだったんですが、前例のない不思議なモーションでした。

お客さんはとても盛り上がっていて、多くの人がステージに向け手を伸ばしてる光景にグッときました。会場がかなりタイトな作りだったことも関係し、かつての密集したライヴのような景色でした。

 

次の曲にて、間奏中に後ろのスタンドへマイクを戻すyukihiroさん。こちらへ振り返るんですよね、と思っていたら…振り返らない。まさかこのまま背中で語るスタイルか!?それもまた乙!!と興奮していたらサッと振り向きました笑

深く響くフロアタムと連動して腕を振り下ろすyukihiroさんかっこいい。

 

新潟で聞いたときから自然と体が揺れ、踊るのが楽しいと心底思える曲。ちょっとアッパーなACID ANDROIDさん。

楽しむ気満々でいたら、yukihiroさんが左手でマイクケーブルを掴んでいる…!しかも全然離さない!そのまま歌い出した!!!

いかんせん距離があるので詳細まではわかりませんでしたが、親指・人差し指・中指の3本でケーブルをいじいじしながら歌ってました…よね?ギュッと握るのではなく、指先で弄ぶ感じ。視線はまっすぐ正面を見据えたまま。わざわざ書くまでもないかとは思いますが、このときyukihiroさんの左手しか見れませんでした。お顔は見れてません。本当すみません。

サビに入り、ボーカルのアクセントに合わせてパッとケーブルを離しマイクを握った左手!急に投げ捨てられたケーブルが不憫!でもそんな無慈悲なyukihiroさんも好き!

 

そして、ここでついに真相を知ることになります。なぜ最後列にいたにもかかわらず、yukihiroさんの上半身をしっかり見ることができたのか。

このあたりになってくるとyukihiroさんの動きもだいぶ大きくなり、左脚のみチラチラと見えるように。今日はどんな衣装なんだろうと目を凝らしてみると、そこには異様なほどの存在感を放つブーツが。そうです、以前のアー写で履いていたヒール15cm強のあの最強ブーツをお召しになっていたのです。しかも色違い。赤いレザーにクリアヒールってもう安室ちゃん超えてるよ。yukihiroさんすごいよ。

あれだけ高いブーツ履いてたら、そりゃどこからでも見えるわけです。そしてここで蘇る記憶。ライヴの始まりで、暗転したステージにKAZUYAさん・山口さんが登場したあと、yukihiroさんが出て来られるまで結構時間が空いたんです。一度拍手が止むほどの間を挟んでから、ゴツ…という重めな足音を響かせ登場したyukihiroさん。あのときは「思いの外姿がよく見える!やった!」としか思っていなかったのですが、前方にいらっしゃった方々はあの瞬間から超絶ヒールのyukihiroさんと対峙していたわけですよね。いやあ、すごい…

 

左手でケーブルは弄ぶわ、最強のブーツ履いてるわで感情がめちゃめちゃでした。

 

その次に演った曲が、日曜日の朝目覚めたときに頭の中で流れていて、それはそれは幸せでした。

音楽知識がないのでとんでもなく的外れなことを言っているかもしれませんが、この曲のノリというかテンションにUSっぽさを感じます。USかUKかと問われたら間違いなくUSなんですよねえ。わかりやすくて解放的な曲調。UKはちょっと湿度があって閉塞的なイメージ。もちろんそればかりではないですが。

何が言いたいかというと、ACID ANDROIDの曲にしてはだいぶポップ…というか明るいなあと感じました。聞いてて楽しいです。

 

1曲終わるごとに、律儀にタブレットの画面をスワイプ。どうでもいいけど、いや全然どうでもよくないけど、スワイプする様があんなに決まるお方はyukihiroさん以外にいるのでしょうか?同じように設置されたタブレットを仮に私がスワイプするとしたら、たぶん人差し指・中指あたりでシュッとするだろうし、手を動かす範囲も画面内におさまってると思うんです。でもyukihiroさんは親指。まず入りからして違う。本をめくるようにタブレットに触れ、スワイプしたその軌道で左手が空を飛ぶんですよ。流星か。闇夜を流れる一筋の煌めきか。何を言ってるんですか私は。ただその動きだけで幸せになれることは間違いないのでこれからライヴに参加される方はぜひぜひ注目していただければと思います。

 

曲が終わってからタブレットを操作するまでの時間が、このときだけ若干早かったんですね。ん?と思ったその直後、「!!!!」な展開に。ネタバレになるので一応伏せます。

まとう雰囲気をガラリと変え、耽美に歌うyukihiroさんのなんとも優雅で高貴なこと。照明もあいまってまるで異次元にきてしまったかのよう。この曲で使われてる音がPerfumeの楽曲のどれかに似てる気がして、私の中ではこれはPerfumeです。(?)

 

雰囲気や自身の見せ方を次々変えていくことができるyukihiroさんを目の当たりにすると、この方はステージに立つべくして生まれてきた方なんだなあと実感します。その姿はとても鮮烈で、見る人の心を掴んで離さない。

 

すでにyukihiroさんの中の炎は最大火力に到達していたのだろうと思いますが、それが明確に発露したのが15曲目でした。イントロから目の輝きが違っていて、言葉こそ発さないものの「いけんだろ?」と明らかに我々を煽っている表情。仁王立ちになり、ビートに合わせ頭を振る。ヘッドバンキングといえるほど激しくはないけれど、そのスピードは恐らく今日イチで、細かいリズムで縦に大きく頭を振る姿を見て、こちらのテンションが上がらないわけがない。

ら行の単語を発するときに若干巻き舌ぎみになり、ガラの悪いyukihiroさんのおでまし。マイクを握った右手を勢いよく振り下ろすとその反動で左手が舞う。腕の可動域が広がり、ダイナミックにフロアを扇動します。

体が自然とyukihiroさんの方へと引きつけられていき、強力な磁力が働いているかのようでした。意識して踏ん張っていないと、足元のマークから簡単に引き剥がされてしまいそうになります。それはきっと私だけでなく、会場にいたお客さんのほとんどがそうだったのではないでしょうか。体も気持ちも前のめりになり、ハーフキャパであることを忘れてしまうほどの熱気がフロアを満たしていました。

yukihiroさんが煽り、私たちは必死に声を抑えながら拳で応える。でも一度だけ、とても自然に声を出してしまった自分がいて心底驚きました。声出したい、我慢できない、出しちゃえ!ではなく、当たり前のことのようにyukihiroさんに続いて声を発していました。それはもはや条件反射で、考える間も無く勝手に喉が動いていたという感覚です。あれ、私今声出てた…?と、しばらく自分のしたことがわからなかったほど。

思考を巡らせる余地すら与えず、神経をダイレクトに刺激してくるyukihiroさん。人の域を超えています。

あの空間を完璧に支配し、きっとゾーンに入っていたであろうyukihiroさん、サビ前に短く強く咆えました。私自身もうめちゃくちゃになっていたのできちんと聞き取れていないのですがワンッ!って言って…ないですよね笑

昂りすぎて動物的な部分が出てきてしまったのかと。

サビを歌いながら左手をすらりと前へ差し出し、手のひらをたっぷりと見せつけた後に人差し指を立てて「1」とサイン。真正面であれを食らっていたらきっと私は宇都宮から生還することは叶わなかったでしょう。遠目にもわかる美しさ。最高です。

 

その次の曲でも勢いが衰えることはなく、終始オラオラなyukihiroさん。後頭部が気になるのか両手でわしゃわしゃ〜っとしており、正面向いたのと背中を向けたの2パターン見せていただき眼福でした。ライヴ中に結構な頻度で後頭部に手をやっていたけど何があったんだろう。毛先がチクチクしてたとか?

それから手首を長い間触っていて、カフスボタンを外してるのかと思ってめちゃくちゃ焦りました。え、外してないですよね?会場内相当暑かったので袖捲りたくなるのはおおいに納得ではあるんですけどyukihiroさんにそれやられるといろいろと無理です。

ドラムの生音が体をビリビリと震わせ、yukihiroさんのまくしたてるような歌声が耳から脳に突き刺さる。サビ終わりのフレーズの荒さがあまりにもかっこよくて耳に残っています。熱狂で埋め尽くされたフロアの先で、マイクを通さずにウォイ!ウォイ!と声を上げる姿を思い出すとyukihiroさんもあの時間を楽しんでくれていたのかなと嬉しくなります。

 

最後の曲が流れ、目にかかった前髪を人差し指でピッと払うとなぜかそのままのポーズで固まる。何のボーナスタイム!?心のシャッターをこれでもかときりました。現像したい。切に。

ここですべてを出し切るという意思の乗った歌声が会場の隅々にまで染み渡っていきました。寡黙なyukihiroさんから、あんなに大きな声が出ることに改めて驚きを感じます。歌で表現ができるってやっぱりすごいです。その声と一緒に感情のままに動く左腕は、まるでダンスしているかのような美しさでした。大きく横に広げた様はとにかく神々しい。

 

これまでの流れと同様に、歌い終わるとマイクを後ろにそっと戻してからフロアをじっくりと眺めます。

ふーっと一息し頷いてから右手を顔の前まで上げ、ふるふるふるっと小刻みに振って挨拶。いつもこのバイバイの仕方がかわいすぎて悶絶してます。あの振り方ただの女子よ。

 

想像の上、なんて言葉じゃとても足りないくらい、別次元のかっこよさを見せつけられ続けた90分間でした。帰り道、うっすらと雨が降っていたはずなのですがそんなことは全く気にならず、目の前で繰り広げられた嘘のような本当の光景について相方さんと鼻息荒く語り合ったのでした。

 

きちんと書き残せてはいませんがライヴの前半も非常に良くて、ACIDの世界や生の演奏の魅力を存分に贅沢に味わうことができました。

ライヴ用にアレンジされた過去の曲で、KAZUYAさんのギターがものすごいアグレッシブに突き刺さってくるのが白目剥くくらいかっこいいんですよね。KAZUYAさん・山口さんの奏でる音の素晴らしさに何度も胸が踊りました。また、それらの音色に寄り添う照明も素敵でした。幻想的な光に包まれたステージは本当にきれい。

 

久々のオラオラyukihiroさんにめちゃくちゃ興奮しましたし、その一方で声に優しさというか甘さが感じられた部分もあって恋煩いが止まりません笑

貴重な時間を過ごすことができとても幸せです。ツアーも次の福岡で早くも折り返し。

くれぐれも皆様が健康で安全に過ごせますように。