acid android in an alcove 20181102
“ashes to ashes”
レポというかもはや思い出。
2日目を書き終えて燃え尽きてしまい、こんなに長い間放置してしまいました。
もういいかなあとも思ったけど、今まで書き続けてきた流れを切るのも嫌だったので、完全自己満で上げることにしました。
初めてのSPACE ODD。キャパ300〜350と聞いてはいたけど、実際に入ってみて改めて中の狭さに驚く。整理番号130後半で入って、上手側5〜6列目くらい。
小さい会場ではあったけど自分のいた位置からはステージの様子がよくわからず、DJ用の卓があるのか、はたまたACIDのライヴのセットがすでに組まれているのか、確かめようにも何も見えない。
最大の要因は大量に焚かれたスモークだったわけだけど、ドラムセットが完全に消えてたくらいだから相当だよなあ。笑
ステージ上の情報が得られず、もちろん事前にタイムテーブルが発表されてたわけでもないので、とにかく待つしかない。誰が最初に出てくるのかわからないまま待つのがどれだけ緊張することか。たったの30分なのにやたらと長く感じた。
ほぼ開演時間どおりに暗転し、それと同時くらいに一部のお客さんがざわつく。
どこを見ているのか何にざわついてるのかわからずあたふたしてたら、どうやら2階席(正しくは地下1階席?フロアが地下2階)の延長でステージ上手側に設けられてるDJブースにyukihiroさんが現れた模様。
私のいたところからはまっっったく見えませんでしたけど。かろうじて髪の生え際が見える程度。
そんなことはお構いなしに(そもそもDJ姿を見せる気はさらさらなかったと思われる)DJタイム開始。
1曲目のAshes to Ashesにはやられた。予想通りといえばそうなんだけど、今までひとりでイヤホン越しに聞いてた曲が、あんなにたくさんの人がいる空間で流れて、しかも曲をかけてるのが他ならぬyukihiroさんであるという事実。心臓がギュッと縮まるような感覚だった。
間奏が長くなってたから多少いじってたんだろうな。DJテクニックを拝見できず残念。
その後の女性ボーカル曲はドラムのかっこよさに惹かれた。
というかyukihiroさんが流してくれたのは全体的にドラムがかっこよかった。いかにもyukihiroさんが好きそうなリズムだったり、なんならすぐ叩けるんじゃないかってくらい普段のyukihiroさんのドラムに近いものがあったように思う。
誰かDJセトリをください(他力本願)
※ライヴ後、まさかのご本人(ACID公式ツイッター)がDJリストを全曲公開してくれるという神対応。yukihiroさんの優しさに全米が泣いた。
マリリン・マンソン ”the beautiful people”(リミックス的な)
デペッシュ・モード 何曲か
スマッシング・パンプキンズ ”1979”(たぶん)
the Cure ”Friday I’m in love”
JAPAN ”The art of parties”
残念ながらわかったのはこれだけ。他の曲もかっこよかったからぜひ知りたい。yukihiroさんちではこういう曲が流れてるんだなあかっこいいなあと、ひたすらかっこいいしか思ってないDJタイムでした。(頭の悪い感想)
それにしてもDJ長いな〜と時計を確認してみたら、20:20。
1時間超えの大盤振る舞いには感心しつつも、さすがに長すぎないかと若干不安に。
しかし実際はこの時すでにゲストのハヤシさんに変わっていて、yukihiroさんの時間はとっくの昔に終わっていたのでした。自分としては「いつの間に!?」という感覚だったんだけど、終演後TL見てたら大多数の方が入れ替わったのに気付いてたみたいで、ひとり静かに耳鼻科に行くことを決心したとかしないとか。たしかに途中で曲のチョイス変わったなとは思ったけどさあ…
なんせ頭の先っぽしか見えてないのでyukihiroさんだと信じて疑わなかった。髪型も似てたし?似てたよね??
途中からすごい勢いで頭振り出したとき、急にテンション上がったなあ〜楽しくなってきちゃったのかな〜〜と微笑ましく見てた自分を殴りたい。
こんなこと書いてますけどハヤシさんのDJタイムすごい楽しかったです。ぜひともお酒片手に踊りながら聞きたかった。
まだDJが続く中、ステージ上ではギターチェックが始まり、数人のスタッフさんにより手際よく準備が進められる。
少ししてからKAZUYAさん、山口さんが現れて歓声が上がる。続いて登場したyukihiroさんは、LE-CIEL vol.96のユッキングを彷彿とさせるラフな髪にオーバーサイズのパーカーといういでたち。
いつもなら、腰まで届く長い髪はその先端まで丁寧に丁寧に整えられて、几帳面な性格そのものを表すような一糸乱れぬストレートヘアに仕上げられているのに、この日は真逆といってもいいくらい。
ドライヤーでザッと全体を乾かしたあと、軽くブラシを通しただけ。アイロンで矯正されてない髪はゆるくうねっているところがあったり、表面で毛羽立つ短い毛先が光に照らされる。
お世辞にも、つやつやサラサラきれい!とは言えないその髪を見たときに、この人もちゃんと40代の(もうすぐ50歳の)おじさんなんだなとちょっとだけホッとした。まあこんなおじさん日常で出会ったことないんですけどね。
そんな自然体な髪型で、なおかつパーカー。ゆるゆるの。
LE-CIEL見たときでさえ発狂しかけたのに、それをリアルで見せつけられるとか本当に無理。尋常じゃなく細くてなおかつ骨格バランスがフィギュア並に美しく立ち姿が完全に二次元の人(=yukihiroさん)が大きめのパーカー着てる姿なんてどストライクに好きすぎて息できなくなるつらい無理好き。
今までのライヴでは見るからにお高そうで耽美で一般人には到底着こなせないようなハイセンス極まりない衣装に身を包んでいらしたのに(例:もはや服としての機能を放棄した極深スリット入りのワイドパンツwithニーハイブーツ)、急にパーカーとデニムなんていうカジュアルぶっこんでくるのは反則じゃないですか〜〜〜〜〜
なにひとつ体のラインを拾わない大きすぎるパーカー。唯一体に沿っているのは肩の部分だけ。本来の体の輪郭が見えなければ見えないほど、いかにyukihiroさんの体が細いかが見るものに伝わってしまうという…あれ、似たようなこと前にも言ってた気がする。(4/20 WWW-Xレポ)
yukihiroさんはいつも我々の予想の斜め上をいくお方ですが、そういうことするからこうやって急に暑苦しく語りだすオタクが発生するんですよ。責任とってください本当にもう。次のライヴの衣装も心から期待してます。
長々語ってしまいましたが、要するにこの日のyukihiroさんはこれまでとは対照的な、やや無骨な男らしさを前面に出しつつも(衣装やヘアスタイルから感じられる印象)、顔周りの髪をふわ〜っと風になびかせてマイクに向かう様にはどこか女性らしさがあり、纏う空気の柔らかさみたいなものも感じられて、改めてその中性的な魅力に開始早々引きずり込まれてしまったのでした。
少し自信のないセットリスト
01.ashes
02.gardens of babylon
03.let’s dance
04.daze
05.relation
06.double dare
07.unsaid
08.a moon tonight
09.Ashes to Ashes
10.chill
11.gravity wall
12.the end of sequence code
13.violent parade
14.violator
こうやって振り返ってみると、普段のワンマンとほぼ変わらないボリュームでやってくれてたのがよくわかる。それと、サプライズ曲をしっかり用意してくれてたということも。
今回のalcoveでの最初の見せ場は、unsaid→a moon tonight→Ashes to Ashesの流れ。
double dareが終わった後、何の前触れもなくステージに現れたスタッフさんが手にしてたのは1本の黒いギター。そのギターは迷うことなくyukihiroさんの元へ。恐らくあの日見に来てたお客さんの中でこの展開を予想してた人はひとりもいなかったんじゃないかな。
開演前にもだいぶざわざわしたのにここにきてさらにそれを上回る緊張を味わうことになるとは。
そもそもyukihiroさんがACIDでギター弾くなんて何年ぶりかわからないくらい久々だし、一体何の曲やるのかっていう点でも緊張と期待が一気に高まる。過去にやった曲だとしたらperpetual motionか、それかまさか…
目の前の状況に動揺しつつも必死に脳を働かせているうちに、その「まさか」の曲が聞こえてきてしまった。
今まで何回ライヴで聞いたかわからない、そして何回聞こうがその度に喉の奥がキュッと締め付けられて、体のど真ん中を槍で貫かれたような衝撃が走る曲。そう、unsaidです。わりと本気でお葬式のときに流してほしいと思ってるくらい好きすぎる曲。
そのunsaidで、生身のyukihiroさんが、ギターを、弾いてくれている………?
あまりの嬉しさに遠のきそうになる意識を必死に手繰り寄せながら、目と耳に神経を集中させる。が、ステージが低いため肝心のギターが一切見えない。見えたのはyukihiroさんの胸から上の範囲のみ。
それでも、俯いて自分の手元に視線を落とし、ただただ寡黙に演奏に徹する姿はいかにも職人気質のyukihiroさんらしく、見惚れる他なかった。
ギターを弾いていても決して華やかではなく、言ってしまえばむしろ地味。なのに目が離せなくなるという矛盾。
ラルカジノや25thラニバでもギターは弾いてたけど、あれとはまるで別もの。あの時はおそらく「見せる」スイッチを入れた状態のyukihiroさんで、このunsaidではそのスイッチは切られてたように思う。
それなのに、あんなに人を惹きつけるオーラが出せるのはもう天性の才能以外にない。(それか私の盲目っぷりが加速してるか)
最初から最後までyukihiroさんが顔を上げることはなかった。と思う。ほとんど照明も当たらず、ずっと意識はギターに集中。
そんなyukihiroさんと、KAZUYAさん・山口さんの3人が鳴らすズシッと沈み込むような音に支えられて、伸びやかに響く345ちゃんの声。
まさかこんなアレンジをしてくるとは予想してなかったので、聞こえてきたときは本当に衝撃だった。
透き通った声と、重厚感のあるサウンドとのギャップ。相反するものを絶妙なバランスで組み合わせて統一感をもたせることに、yukihiroさんは長けてると思う。
来春のツアーでもぜひ聞かせてほしいし、叶うことなら音源にしてほしい曲No.1。
そして続いたa moon tonightにも驚かされた。
ライヴでやるのは初めてのはず。イントロはCD音源とは変わってて聞いてすぐには分からなかったけど、「もしかしてこれは…!」とじわじわ分かっていく感じが楽しかったし、すごいわくわくした。
曲の印象としては重たい雰囲気。高い音がなくなったからそう感じたのか、音楽的知識がなさすぎて感覚でしか分からないのがもどかしい。
エレクトリックピアノが抜けたことによってyukihiroさんのボーカルが際立って聞こえる。あれは「俺の歌を聞け」っていうメッセージと捉えていいですね?
a moon tonightが終わって、次の曲がかかるまでの間が少し長く感じた。心なしか、yukihiroさんも集中し直してるように見える。
聞いたことのない曲が流れてくると、ピタッとフロアが静まり返って、全員が耳を澄ませているのが伝わってきた。
本家よりもややゆっくりめのテンポで再構築されたAshes to Ashes。a moon tonightの重さをそのまま引き継いだ曲調。
DJで流すだけじゃなく、自らカバーまでするとは!今日だけで何回驚けばいいのかわからないくらい、驚きっぱなしのalcove初日。
yukihiroさんはマイクスタンドにもたれかかり、その状態からほとんど動かない。恐らく足元には歌詞のカンペがあり、視線を斜め下に向けたまま淡々と歌っていく。
声質こそ違うものの、デヴィッド・ボウイの歌い方を何度も聞き込み忠実に再現しようとしてるのが伝わってくる、丁寧な歌だった。
Ashes to Ashesを無事終えると少し安心したのか、chillからは解き放たれたように体の動きが増す。
gravity wallの曲中に、まっすぐお客さんを見据えながら舌舐めずりをした姿が衝撃的すぎた。
フロア中央付近からでもはっきり見えたくらい大袈裟に舌を動かしてたから、近くで見てしまった方はそれはそれは大変だったに違いない。
violatorで終わるっていうのもなかなか斬新。サビで照明が明るくなり、白い光に包まれるyukihiroさんへ一心に手を伸ばすたくさんのお客さん。それを全身で受け止めるように、このときはステージの前の方まで出てきてくれてた。
1日目はライヴの中盤で少し後ろに下がったことで自分の周りに空間ができて、好きなように体を揺らしながら見られたのがすごく気持ちよかったなあ。
前の人に被ってyukihiroさんの姿が見えないときもあったけど、無理に見ようとせず敢えて目を閉じたり天井見たりしてゆらゆらしてたら、ちょっと眠くなるくらい心地よくなってきたり。
小さな空間で音に浸る楽しさを味わえたalcoveでした。
もはやレポでもなければ思い出でもない、無駄に長い独り言。
ラルクリも2日間だけど、レポ書けるといいなあ…