ACID ANDROID LIVE 2019 #1 名古屋 CLUB UPSET

2019.4.27(sat)

ACID ANDROID LIVE 2019 #1

名古屋 CLUB UPSET

 

 

 

 

この「LIVE 2019 #1」もあっという間に終盤戦。小さいライヴハウスでやるのもいよいよ今日が最後となってしまいました。しかもキャパは今ツアー最少の250。何か起こるかもとは思っていましたが、全く予想外の出来事が起こりました…。恐らくyukihiroさんにとっても予想外だったはず。

 

 

すっきりと晴れ渡った良い天気の名古屋。ただし寒い。

時折吹く突風の冷たさが尋常じゃない。体がガタガタ震えてまともに話せない。極寒。

やがて1番から呼び出しがかかり、60番で入場。5階まで階段を登ってフロアに入ると、中は真っ暗。ステージ上にあるはずのドラムセットもギターのアンプも、何にも見えない。センターかどこなのかもわからないまま、とりあえず前に詰めてみたらちょうど目の前がお友達でした。

場内は真っ暗だし、心なしかSEが激しめというか煽ってる感が強くて、お話しして気を紛らわせられてなかったらかなり緊張してただろうなと思います。

ほどなくしてスタッフさんがステージにマイクスタンドを設置。近い。そして低い。大丈夫かなこれ…


定刻過ぎてライヴスタート。本日のyukihiroさんはとてもシンプル。黒地に赤ドットのリボンタイ付きブラウスを珍しくパンツイン。黒いスキニーは恐らく正しい腰の高さで穿いていて、ベルトは細め。(スワロフスキー的な何かがキラキラしてるように見えましたが未確定)そしてブーツはパイソン柄のショート丈!yukihiroさんが柄物のブーツを選ぶのは珍しいような気がしました。

ドシンプルな衣装に驚きつつ、視線は腰回りへ。こんなに大胆にさらけ出しているのは久々だったので、これはしっかり目に焼き付けねば!という思いと、でもそんなとこ直視しちゃっていいの…?という思いがせめぎ合う。ま、結局見たんですけどね。笑

腰がとんでもなく細いのは想像通り…だったんですけど…その…存在感が……あったような???何がって?いや言えるわけないじゃないですかそんな破廉恥な…!最前だった方あとでこっそり教えてください(土下座)

変態に拍車がかかるくらいの近さだったということが伝われば幸いです。存在がものすごくリアルで、例えるならその辺の道歩いてたら目の前にyukihiroさんがいた、みたいな。そう感じてしまうくらいにステージとフロアの隔たりがありませんでした。さすがキャパ250。

左手に着けたブレスレットから垂れ下がるチェーンの細かな動きまで見え、長くて細いネックレスはみぞおちの辺りで揺れて、光を反射してキラキラ輝く。

仙台よりも近いからか、はたまた照明が明るいからか、視線の先がよくわかりました。最初は遠くを見てるんですが、だんだんとお客さんひとりひとりを認識するように目を動かしたりしてました。

 

歌い始めると体が揺れて、一層腰の細さが際立つ。少しクネッとする独特なリズムの取り方。非常に悩ましく揺れるのでいけないものを見ている気分でした…

今まで腰から下はほとんど見えてなかったので、1曲目からこんなに動いてたことにまず驚きましたが、よく動いてたのは腰だけではありませんでした。首の振り方もだいぶアグレッシブで、右側に強く振るために右の肩により多くの髪の束がかかって、一瞬アシンメトリーになった髪型がとてもツボでした。

 

intertwineの演出は素晴らしく、特に始まり方が最高。いくつもの青いライトが不規則に至る所でチカチカと点滅し、逆光になっているためyukihiroさんの顔は見えない。シルエットで圧倒的強さを表す男、それがyukihiroさん。

intertwineは踊らずにはいられないですね。yukihiroさんも動きにキレが出てきて、歌いながらマイクを一瞬だけ口元から外す動作も俊敏。ほぼ毎回intertwineで取り入れてる動きだからお手の物。

 

dazeで早くもマイクや左手をぶんぶん振ったりテンション高いなあと思ったら、imagining noisesで舌舐めずりぶちかましました。仙台で見れなかったからありがたかった…🙏それもまたタイミングが完璧というか狙ってるなあという感じで、ちょうど全員の注目が集まってるだろうという時を見計らって、その上きちんと照明も明るくて見やすい時に口を薄く開いてペロリ。嬉しいやら小憎たらしいやらで感情が迷子です。本当にありがとうございました!

ヒャアアアアア…!というお客さんの悲鳴に動じることなくあくまでも自分のペースで突き進んでいくyukihiroさん。(内心「してやったり」だったのでは?)

 

そういえばさいたまや福岡では足元のカンペを見ながらdressを歌っていたような気がしたのですが、いつの間にか見なくなってました。そもそもカンペがあったのかは謎ですが。大好きなdress、一言一言丁寧に歌うyukihiroさんの声をしっかり体に染み込ませながら聞きました。マイクをしっかりと握る手もこのままずっと見ていたかったなあ。

rosesのステレオ感が意識飛びそうになるくらい気持ちよかったです。ちゃんと左右交互に打ち込みのハイハットが鳴っていて。

dressからrosesまでのしっとり聞かせるゾーンは曲の終わり方まで美しかったです。曲に合わせて次々と切り替わってた照明の色が最後には単色になって、マイクスタンドから一歩後ろに下がったyukihiroさんは影のみに。少し俯きがちな頭が最後の一音が消えると同時にもう一段階カクンと下がる。シルエットだけでも髪の綺麗さが十分伝わってきました。

さすがにこれだけ立て続けに歌ってる姿を見ていると彼がドラマーであることを忘れてしまうんですが、スネアを叩くように右手を2回素早く振り下ろすのを見て「そうだこの人ドラム叩くんだった」と思い出しました。笑 歌っててもかっこいいしドラム叩いたらもっとかっこいいとかどういうこと…?

右手をマイクに乗せたまま左手をお腹に添えて、足を一歩後ろに下げるポーズにめちゃくちゃyukihiroさんらしさを感じてました。

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この姿勢でキリッと前を見据えるんです。そんなのかっこいいに決まってる。

dressとprecipitationは比較的正面を見ながら歌っていて、division of timeとrosesは目を閉じて歌に没頭してるように見えました。ただ、照明が暗いときにはその判別が難しくて、目閉じてるな〜すごい気合い入ってるな〜と思ってたら、あれ?なんか目開いて…る…?み、見られてる……??と動揺することも多々ありました。その時の表情がなんとも言えず物憂げで、すんごい切ない目で見てくる。心臓潰されました。マイクを握りしめながら数本の指だけが時折震えるように動くのもグッときます。

 

ashesでじわじわとテンションが上がってからのchillはとにかく圧巻でした。まず冒頭でいつものようにマイクスタンドを後ろへ下げるのですが、スタンドの足元にマイクケーブルが何重にも巻きついてしまっていたようでクルクルとマイクを回して地道に直す。この時の横顔が完全に素。突然の素ジャスティス🤦‍♀️と思うと同時に、イライラしてないよね…?と一抹の不安がよぎる。とても落ち着いていたので無事に絡まりは解けてスタンドは奥に下げられました…が、心なしかスタンドを上から鷲掴みにした左手に力が込められてたような?その一瞬で福岡の一件が脳裏に浮かび、悶えそうになるのを必死に堪えてました。たぶん堪えきれてなかったですけど。

 

少しだけ素を覗かせたシーンもありましたが、歌い出すと空気がガラッと変わる。一瞬でまとう空気を変えられるyukihiroさんはやはり格が違う。やがてその空気がみるみる熱を帯びていって、今日イチの熱さで歌うyukihiroさんがそこにはいました。こんなにも声を荒げた「what you said」は久々に聞いた気がします。歌うというよりかは叫ぶ一歩手前?顔にはくしゃくしゃにシワを寄せて、なりふり構わないというような歌い方。仰け反ったり、前屈みになったり、頭ぶんぶん振ったり、左手を握り締めたりパッと開いて前にかざしたり。制御がきかなくなってしまったかのようなその動きをひたすら興奮しながら、そしてこれまでの楽しかった日々を思い出してちょっと泣きそうになりながら見ていました。

 

チラッとフロアに目を向けてからまっすぐ上へと伸ばされた右手。マイクを握りながらしっかりとピースサインをしていました。さらには背中に回された左手までピース。そんな高度なダブルピースができるのは世界でyukihiroさんだけです…!

ほんとにchillがかっこよすぎて、yukihiroさんのリミッターが外れたのにまんまと影響受けて私も終始感情抑えられずに見てたんですが、なんか一瞬yukihiroさんがこちらを見ながら口元がモニョモニョッとした気がして。なんというか笑いがこみ上げてくるのを無理やり抑えてる感じ?120%勘違いなのは重々承知ですが、ヘラヘラしてる変な奴いるなーって笑われたのかと思いました。どこを見てたかはともかく、しっかりとフロアを見てくれてたことは間違いない。あの場にいたお客さんがそれぞれ自分の中でACIDを堪能していた時間から、yukihiroさんもお客さんもお互いに感情をあらわにして混ざり合った瞬間がchillでした。

 

echoのイントロで浮かび上がるyukihiroさんのシルエット。明らかにchillのテンションを引きずっていて、この曲に似つかわしくない勢いで頭振る姿が大っっっ好きです。「繫ぎ止めるあの声」で指の先まで力を込めて大きく開かれた手の平がとても感情的。

gravity wall間奏部分でマイクの集音部分を握ってだらんとぶら下げていたときの気怠さに100満点💯。フォロワーさんが仙台で見たとおっしゃっていた光景を見ることができて嬉しかったです。

 

そしてlet’s danceでは左手の動きが過去最高。静止することでじわじわと盛り上げてきた仙台とは対照的で余計に突き刺さりました。お客さんのかけ声に合わせて、まとわりつくものを払うように肘を伸ばして真横に振り、下から上に振り上げ、今度は逆に振り下ろす。サビで「手を差し出せ」と歌いながら超絶ドSの視線を投げかける。あごを上げてフロアを見下す。最高!

左手をぶん回しまくった結果、腰につけてたイヤモニの受信機が落ちてしまい、ぶらーんとぶら下がったそれをパシッと掴んでキョトンと見つめるyukihiroさん。直そうと試みるも上手くいかずに持ったままとりあえず歌い、間奏でくるっとフロアに背中を向けて耳のイヤモニを外し始めたんですがその時の姿勢が神。両腕を上げて首の後ろに手を回し、イヤモニのコードと髪が絡まってしまったのをあの長い指で丁寧にほぐしていく。その後ろ姿から溢れ出す色気はもはや滝。

少し手こずり、ようやくイヤモニが取れると一瞥してから床にペシッと叩きつけた!それを見て一層盛り上がる場内。福岡と同じ流れです。笑

華麗に正面に向き直ると思い切り頭を左右に振る。イヤモニがなくなったからか、それまでとは違った頭の振り方になってました。首輪を外された大型犬のように、内に秘めていた野性が解き放たれたyukihiroさん。イヤモニがない代わりに右手を耳にあてて音程を取るわけですが…そのポーズの破壊力。あの長い髪をめくるように耳元へ右手を滑り込ませて、大きな手は耳だけでなく顔の右半分すら覆ってしまうほど。その上、指先はこめかみを少し引っ張っていて、右の目尻だけがキュッと引き上げられる。つり目美女爆誕。誰もが平伏すクールビューティ。美しさが飽和状態。そのまま最後のサビを歌い上げていたあの時間あの光景を私は死ぬまで忘れないでしょう。

 

しかし、イヤモニなしのままviolent paradeに入ってしまったのはさすがに不安でした。こんなに応援しながら見たviolent paradeは初めて。でもすぐにその不安は解消されることに。相変わらず耳に手を当ててはいましたが、いつもと変わらずに歌い上げていくyukihiroさんの姿からは自信が感じられました。これまでのキャリア、このツアーでさらに増やした経験値。それらがあったからこのアクシデントにもスマートに対応できたのでしょう。好きなアーティストという枠を超えて、人として尊敬する。本当にすごい人です。

ただ、yukihiroさんもやはり冷静ではなくて、サビ前で「ウラァッ!」と吠える場面も。少し前に出てきてヒリヒリした空気をまといながら歌い上げる。その時も耳に手を当てながら。もうかっこよすぎて無理。両頬に空気溜めて唇尖らせた顔(ラルクでもよくやる顔)でバチッとこちら向いたときにはぶっ倒れるかと思いました。

途中、上手の方を向いてスタッフさんとアイコンタクトを取ったときの大きく見開かれた目。顔の半分くらいが目でした。(それは言い過ぎ)ラストサビ前に一旦はけてイヤモニを付け直してもらい、歌に入る直前にステージに復帰。スタンドに挿していたマイクをさっと抜き取ると堂々とフロアに向き合い、体を折り曲げて床に向かって叫ぶように声を張り上げる。

 

仙台同様、紫の光に包まれたviolator。左手で自身の細い腰を抱きながら歌う姿に見惚れる他ありませんでした。そして、手の甲を走るいくつもの血管。白くきめ細かな肌の下にくっきりと立体的に浮かび上がっていました。

胸元に下された髪にはレイヤーがたっぷりと入っていて、短い毛先だとミディアムくらいの長さ。そしてどの毛先にも言えることが、色素が抜け切っていて完全に金。真っ金金。こうなるとどんな色入れようとすぐ抜けちゃうんですよね。びっくりするくらいどうでもいい話ですみません。

stoop downはもうヘドバンヘドバンヘドバン!髪が長くなってから激しめのヘドバンをすることはすっかりなくなりましたが、この日の名古屋でついに解禁。髪がぐしゃぐしゃになるのも構わず頭をぶんぶん振りまくる。さらには90度のお辞儀くらいに腰を曲げて、全く正面見ずに下向いたまま歌う。

この時点ではもう解決済みだったとはいえイヤモニの件が引っかかっていたのか、怒りをエネルギーに変えstoop downにぶつけていたように見えました。

 

 

衣装に始まり、歌い方やステージ上での振る舞いがとても雄々しかった名古屋。yukihiroさんまでの距離が近かったこともあり、いつも以上の衝撃を受けたライヴでした。ただそこに立っているだけですごく生々しく、「ライヴを見に行った」ではなく「yukihiroさんに会いに行った」と言えるような時間でした。

歌い方によっては笑ってるように見えたり、かと思えば貞子みたいな目の見開き方で上手の方をガン見してたり、呼吸を整えながら天井を見たり、フロア後方の一段高くなってるところを眺めたり。場内をしっかり見渡しているのがよくわかりました。全然曲とは関係ないですが、ゆっくりとした動作で顔にかかる髪を払うしぐさや手の甲をあてて鼻をすするしぐさ。そういう何気ない行動の一つ一つも「今yukihiroさんを目の前にしているんだ」という実感を抱かせてくれる要因でした。何度ライヴに行こうとも、好きな人を目の前にしたときの興奮で胸がいっぱいになる感覚は幸せだし、何よりyukihiroさんはいつも新しい光景を見せてくれるから、こんなにも夢中になってしまうのだと思います。

シンプルに、ライヴハウスでダイレクトに音楽を楽しむ感覚を味わえた名古屋。そして、アクシデントがあったことで今のACID ANDROIDの「強さ」を目の当たりにすることができた貴重なひと時でもありました。

この名古屋からたったの1日しか空けずに開催された六本木公演も素晴らしいライヴでした。

それはまた別の記事で。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました!