凛として時雨 Tour 2019 Golden Fake Thinking

2019.6.22(sat)

凛として時雨

Tour 2019 Golden Fake Thinking

豊洲PIT

 

 

 

 

ツアーセミファイナルに行ってきましたー!

ものすごい衝撃と熱気に溢れたライヴで、はちゃめちゃに楽しかったです。

6/1のZepp Tokyo公演も見に行きましたが、セトリもライヴの雰囲気も違ったのでどちらも体験できて本当によかったなと思います。できることなら地方遠征もしたかった!

 

感想に入る前に、私が時雨にはまったきっかけや、今まで見に行ったライヴについて簡単に振り返ってみたいと思います。

 

初めて「凛として時雨」という存在を認識したのは、確か2008年のJACK IN THE BOXでピ様を見たときでした。

もともとAll Deadが好きだったので、hydeさんが登場して歌い始めただけですでに大興奮だったのですが、「ドラム叩いてるこの人は誰だ!?」と気になってしょうがなかったのを覚えています。顔色ひとつ変えずにクールに叩くし裸足だし手数多いし…

裸足は置いといて(でも嫌いではない)、ドラマーとして好きな要素しかなくて一気に心を持っていかれました。そうか、今思えば私の時雨好きはピ様への一目惚れから始まったんだな…

その後具体的にどういった行動を取ったかは忘れてしまいましたが、たぶんピエール中野という人物をネットで調べ、凛として時雨というバンドを知り、YouTubeで音楽を聞いてきっと衝撃を受けたのだろうと思います(笑)

 

それから月日は流れ、初めてライヴを見たのは2010年の「SUMMER SONIC 2010 EXTRA」で、スマパンacid android・時雨という豪華すぎるメンバーが揃ったイベントでした。さらにその10日後にはJACK IN THE BOX 2010 SUMMERにもシークレットとして登場し、ステージに現れた3人が放つ並々ならぬオーラに圧倒されました。

やがてyukihiroさん、345ちゃん、百々さんがgeek sleep sheepを結成し、2012年のDECEMBER'S CHILDRENにてgssとピエール中野TK from 凛として時雨凛として時雨を一気に見ました。後半ややこしいことになってますね。

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、ここまでは凛として時雨をメインで見に行っていたのではなく、お目当てが出演するイベントに偶然時雨も出ていたので一緒に見れたという感じでした。なかなか最初の一歩が踏み出せなかった私が、ようやく「時雨を見るために」行ったイベントが2015年のLUNATIC FEST.だったのです。他にもBUCK-TICKさんとかminus(-)さんとか気になってるバンドはいましたが、ルナフェスに行こう!と思った一番の理由は時雨が見たかったからでした。どのアーティストもそれぞれの色があって本当に素敵でしたが、一番潔く、それでいてセンセーショナルだったのは間違いなく凛として時雨だったなあと今でも思います。

 

ルナフェスでのライヴを見て、やっぱり好きだ!ワンマン行きたい!という気持ちが高まり、S.O.S Tour 2015の最終日TOKYO DOME CITY HALLにてようやく初ワンマンを経験することができました。ちなみにこの日は会社の先輩の結婚式で、披露宴後に急いで着替えてライヴに行くというちょっとハードな1日でした。後ろの方でゆったり見るのでも全然よかったのですが、というかむしろそうしたかったのですが、いざチケットを発券してみたらまさかの10番台で。こんなおいしいチケットを無駄にするわけにはいかんと、全力で前に行くことを決めました。無事345ちゃん前の最前列に入れましたが、ライヴが始まってからの押しが今までに経験したことがないくらい強烈で、体は柵に対してくの字に折れ曲がり、足はほとんど床から浮いた状態でした。内蔵が潰れそうになりながらも、とにかく最後まで必死にライヴを見たというのが時雨初ワンマンの一番の思い出です。ものすごく苦しかったけど、髪を振り乱しながらベースをかき鳴らして、最後にはそのベースを高々と掲げた345ちゃんはものすごく男前でかっこよかったです。目の前で見られて本当に幸せでした。

2016年にはトキニ雨#15を見に行き、ピ様のDJを間近で拝見。めちゃくちゃ楽しかったし何より本人が一番楽しそうでした。

 

2回目のワンマンが2018年のTour 2018 "Five For You"の追加公演、国際フォーラム。全席指定だから内蔵潰れる心配もないし(笑)、なおかつ会場の音がいい。しっかりアルバムを聴き込んで見に行ったということもあり、とても満足度の高いライヴでした。演出もかっこよかったですしね。その数ヶ月後にはテレ朝ドリームフェスティバルへ。まるでワンマンとも思えるような圧巻のステージで、最後の曲が終わったあと呆然と立ち尽くす私たちオーディエンスに対し、一切の余韻を与えずバズーカをぶっ放すゴーちゃんがたまらなく最高でした。あの日のMVPは間違いなくゴーちゃん。

 

まだまだ自分は時雨はまりたてだと思ってたけど、もう10年も経ってるんですね… 時の流れ怖いです。

思いのほか振り返りが長くなってしまいすみません。ここからようやく豊洲の感想です。

 

 

豊洲PITは初めて行く会場でした。この日は整理番号154番。A・B同時入場ということを考慮しても、3000を超えるキャパに対して300人以内に入れるのであれば、だいぶいいポジションを狙えはず。最初はそれこそ345ちゃん前の2列目あたりまで行こうと考えていましたが、いざ中に入ってみたら一段上がったところからの景色がとても良くて、距離もそんなに遠くないし柵にも寄りかかれるのでしれっと作戦変更。その後しばらくしてもフロアにはまだまだ余裕があり、さすがにパンパンには埋まらないのかななんて思っていたら、開演10分前には床が見えなくなるくらい大勢のお客さんで埋め尽くされてしまいました。キャパ3000の会場をソールドアウトさせてしまう時雨の人気の高さを目の当たりにした瞬間でした。

 

開演時間になり場内が暗転。拍手と歓声で満たされた空気が肌に触れると、興奮で体がゾクゾクと震えました。

轟音のSEと共に、3人が下手袖から登場しそれぞれの持ち場へ。前日に熱が出てしまったというピ様でしたが、確かめるように鳴らされたドラムの音からは気迫とやる気がバチバチにほとばしってました。ピ様頑張れ…と願いつつ、目は透明なバスドラの向こう側に見える右脚に釘付け。確かピ様がドラムセットを透明にしてるのってファンのためだとどこかで耳にした気がするのですが、今回改めてピ様のお心遣いに大感謝でした。ペダル踏み込む足ってめちゃくちゃかっこいいですよね〜〜〜。大好き。

 

ライヴは先日のZepp Tokyoと同じ、ハカイヨノユメ・Sadistic Summer・鮮やかな殺人・DISCO FLIGHTの流れで始まりました。ガーッとギターをかき鳴らすTKさんを後ろからしっかり見て、息を合わせて曲をスタートさせていく様がいかにもバンドらしく、見ていてすごく気持ちが高まりました。

何よりこの冒頭4曲でフロアが沸騰状態なほどに盛り上がったのが本当にすごかったです。メンバーからはお客さんを煽るような言葉なんて一言も出ていなくて、ただ真剣に全力で曲を演奏してるだけ。それなのに会場内がボコボコに沸いた熱湯みたいに盛り上がっていて、曲の持つパワーに圧倒されまくりでした。

 

ピ様のスティック回しは見ていて本当にテンション上がるし、好きが高まりすぎて辛いです。

ハカイヨノユメでは左右に置かれたクラッシュを右手で交互に叩きながら、その合間にクルッとスティック回し。Sadistic Summerはサビで腕を高く上げてよく見えるようにしながら回してくれてました。スティック挟む指もくるっと回す瞬間の手の動きもクリアに見えて目が幸せ。

 

鮮やかな殺人ではステージがきれいな青に染まったのが印象的でした。「殺人」っていうハードな言葉使ってるけど、こんなに爽やかな青が似合ってしまう曲なんですよね。

 

DISCO FLIGHT始まった瞬間の会場の熱気もすごかった!Zeppのときはそんなに盛り上がらなかった気がして、さすがにド定番すぎなのか?と思ったんですが豊洲では345ちゃんのベースが鳴った途端に地響きのような歓声が上がり、みんなジャンプジャンプ。この縦ノリがたまらなく楽しかった。TKさんの歌い方も毒増し増しでニヤけるくらいかっこいい。

 

「こんばんは、凛として時雨です」というシンプルすぎる自己紹介のあとMVと同じ照明のもと、Chocolate Passionに。薄暗いステージの天井から何本もの白い光の線が床めがけて伸び、まるで3人が檻の中にいるようにも見えました。足元から全身を震わせてくるドラムの連打で始まるのもものすごく気持ちいいです。

DIE meets HARD前のノイズは音源の何倍も激しく、「ライヴだとこんなに凶暴に変わるのか!」と驚きました。歌詞通りにハチミツ色にステージが染まるのも粋。確かこのときのハイハットの刻みが、いばらの涙とかKilling Meと似てて興奮しまくり。

 

a 7days wanderでゆったりと優雅な動きで弦を弾く345ちゃんの手元が大変美しかったです。そしてこの曲すごい好き。TKさんの歌聞いてると呪文かけられてるような気持ちになります。あんなにきれいな声で「首を絞めた」とか言っちゃうんだもんなあ。耽美とはまさにこれ。そしてSerial number of Turboでアコギを軽やかに弾くTKさんも素敵でした。TKさんにとってギターって本当に体の一部なんだろうなと見ていて思いました。ギターを弾くという行為があまりにも自然すぎるというか。歌いながら左手を前にかざしたりもしていたのですが、そういった動きとギターを弾く動きに全然違いが感じられませんでした。ふと手を前に差し出すのと同じようなナチュラルさであの複雑なメロディーを奏でてしまう。すごい人です。

 

secret cmで少しカームダウンしてからの、想像のSecurityと感覚UFO。特に感覚UFOでは予想外といった感じでフロアがどよめいた気がしました。時雨ファンの皆さんはツアー中にネタバレしないように徹底してるみたいで、イントロが流れた瞬間のリアルな反応がそこかしこで見られました。新鮮な気持ちでライヴ楽しめるっていいですよね。素敵なバンドとファンです。

345ちゃんのあやしげなベースがめちゃくちゃかっこよくてどんどん好きになります。

 

そしてここからライヴはクライマックスへ。

TKさん・345ちゃんが捌けてステージにはピ様のみ。カラフルなライトに四方八方から照らされ、怒涛のドラムソロを見せてくれたピ様はもう神様としか言いようがない。不調を全く感じさせないキレッキレの動き。もはや照らされているのではなく、ピ様自身が7色に発光しているかのように見えました。基本となる打ち込みのリズムが流れている中でピ様が即興のドラムを合わせていくのですが、ものすごい高速で叩きまくっても絶対元のリズムにピタッと戻ってくるのが本当にすごかったです。リズムキープはドラマーとして基本中の基本なのかもしれませんが、スティックの軌道が見えないくらいの速度で思いっきり連打してるのに、一切リズムがズレない。高速ドラムももちろんかっこよかったですが、涼しい顔で元のリズムに戻る瞬間が一番かっこよかったです。好き。

 

そのまま休憩を挟むことなく、立て続けに新曲2曲披露。スパイダーマンの日本語吹き替え版主題歌の方ではステージ上に赤と青のライトが光り、明らかな「スパイダーマンカラー」に思わずニヤッとしてしまいました。

laser beamerでは緑色のレーザーが場内のいたるところを鋭く貫いていく様がサイバーでかっこよかったです。この曲は後半のTKさんと345ちゃんのたたみかけるような高音合戦と、シンバル・フロアタム・バスドラをそれぞれ明確に鳴らすピ様のフレーズが大好きです。特にドラムに関してはどんな風に演奏しているのか目で見て確認したかったのですが、さすがに詳細まではわかりませんでした。MVに映ってたら嬉しいんだけどなあ。

 

Telecastic fake showとnakano kill youはこの日一番の熱狂。一度も休憩を取っていないというのに立ち上がってお客さんを煽るピ様!そんなの男前すぎて泣く。ステージから発せられるエネルギーに触発されて、フロアもお祭り状態。ひとりだけでしたがダイブしてる人もいました。気持ちはわからないでもない。でも禁止行為だからなあ…

爆音の波の中でもみくちゃになりながらピ様の鳴らすドラムに合わせて頭をぶんぶん振る。これ以上ないくらい気持ちよくて、他では味わえない感覚。

 

その上Zeppではやらなかったnakano kill youをこの日にやるっていうのがもう!ピ様の不調を不安に思うファンの気持ちを吹き飛ばしてくれたようでした。全力で叫ばせていただきました。ナカノキルユー!!!ピ様がヘドバンしながらドラム叩いてる姿とんでもなくかっこよかったです。

 

345ちゃんのほっこり物販紹介。7分丈Tシャツを紹介したとき、TKさんに話を振ったのですがタイミング的にTKさんは話せなかったっぽくて、それに気付いた345ちゃんが発した「あ、ごめんね」がすごくナチュラルでよかったです。長年連れ添ってる感が伝わってきました。

さらりと「また3人でライヴやります」と言ってくれたのも嬉しかったですね。またツアーがあればぜひとも見に行かせていただきます。

 

最後の傍観ではステージ背面の幕が開き、真っ赤に染まるスクリーンが登場。夕日のような、あるいはこの世の終わりのような背景を従えて真っ黒な影で浮かび上がる3人の姿、ドラムセット、集音用のマイク、機材の数々。影絵のようなその光景は無機質でとても美しく、耳に突き刺さる轟音にただただ圧倒されました。

全てを出し切るように各々の楽器を全身全霊で鳴らす3人。345ちゃんは最後、最前列の人とハイタッチしピックを投げてから捌けていきました。羨ましい。

 

18時に始まり、終演は19時半。1時間半という時間は決して長くはないはずなのに、終わった後は満足以外の感情はありませんでした。とても濃厚で激しくて、ひたすら心を奪われ続けた時間。ステージ・フロアのどちらもが刺激的で魅力的でした。

 

TKさん・345ちゃん・ピ様、素敵なライヴを見せていただきありがとうございました。ピ様はくれぐれもお体を大切にしてください。

そしてファイナルの大阪も素晴らしい夜になりますように!