acid android in an alcove 20181103 "ashes to ashes"

2018.11.3(sat)

acid android in an alcove 20181103

"ashes to ashes"

SPACE ODD

 

 

 

 

初開催となるalcove 2daysの2日目。

今更気がついたけど、今回は「vol.*」っていうタイトルにしなかったんですね。

yukihiroさんがタイトルをこだわった理由が、終わった今になってとてもよくわかります。

1日目の感想もおいおい書くとして(書けるかは謎)、取り急ぎ2日目のレポを残しておきたいと思います。

 

 

17:00前にSPACE ODD到着。

開場まであと30分あるということでフォロワーさんとご挨拶させていただいたりしてたのですが、早々にスタッフさんから入場するよう促される。

まだ時間じゃないのになーと思っていたら、早い番号の人から先にロビーに入ってもらって、外にも待機列を作るためでした。

 

まだ本当の入場ではないとはいえ、この時点で早くも緊張。

今日は人生初めての整理番号1と2。

不安で気持ち悪いやら、周りに見られているようで恥ずかしいやら、すでにおかしなテンションになりながらロビーの中へ。

 

チケットもぎり・ドリンクチケット交換のカウンターの前で待機。

開場前に会う約束をしていたのに結局会えずじまいだったフォロワーさんが、わざわざスタッフさんに声をかけて私のところまで挨拶にきてくださったときには本当に感動したし緊張もほぐれました。ありがとうございます。涙

 

17:30になり、いよいよ中へ。

ロッカーを抜け、地下へつながる階段を慎重に下りる。フロアに入ると、当然ながらそこには誰もいない。スモークで霞んだ無人のステージにひっそりと佇むマイクスタンド。やけに神々しく見えたのを覚えています。

そのマイクスタンドの正面に立てたときにようやく一安心。無事にここまでこれてよかった…

それからは相方さんとちょこちょこ話したりもしたけど、また緊張が襲ってきて結局ほぼ無言のまま開演を待つ。

 

やがてDJブースにyukihiroさんが現れ、こちらに目をくれる様子もなく準備をし始める。

SEが止んだあと、しばらく無音の時間があり、その間yukihiroさんはDJ卓のツマミ類を何度も調整。

後ろを振り返りスタッフさんに確認をとったりしているうちに、無事に曲が流れ出した。

 

DAVID BOWIE「'Tis a Pity She Was a Whore」始まり。ドラムがめちゃくちゃかっこいい。声も渋くて最高。

昨日は期待通り、というかこのイベントのタイトル通りに「Ashes to Ashes」から始めてくれたけど、改めてこの2日間はyukihiroさんのデヴィッド・ボウイ愛が炸裂してたなーと思う。

DJリストまるまる変えてきたところにも、このイベントへの並々ならぬ思いを感じました。それか単純に流したい曲が多すぎただけかもしれないけど。笑

終演後にリスト全曲公開してくれたのも本当にありがたいし、優しすぎて泣きそうでした。

 

レコードを設置すると、小さいバーを左右に倒すタイプのスイッチを操作し、別のところにあるツマミを慎重に回す。

その調整が終わると、場内で流れてる曲に合わせて頭や体をゆらゆら。

手はパンツのポケットにひっかけたり、パーカーのお腹のポケットに入れたり。(可愛い)

CDやレコードを大切そうに丁寧に扱う姿は、見ていて好印象以外のなにものでもない。レコードに関しては指をピンと伸ばし両手で持つ。

時折視線を上げて、正面の壁や天井に目を向けたり、関係者席の方をちらっと見る。

 

曲に合わせて次々に変化する照明が本当にきれいで見てて飽きなかった。

Radiohead「No Surprises」が流れる中、ミラーボールに反射した光が場内の壁を流れていく様子は、海を泳ぐ魚の群れのようにも見えた。

もちろん、その光に照らし出されるyukihiroさんの横顔も素敵でした。ただ、目から上くらいしか見えなかったけど。

 

19:00少し前、Yui OnoderaさんがやってきてDJを引き継ぐ準備に入る。

1歩後ろに下がっていたyukihiroさん、ふと前に出てきてOnoderaさんと何やら話し出す。うなずいて話を聞くOnoderaさんと「よろしく」といった感じで目配せしてからはけていったyukihiroさん。

このときの顔の近さには心底震えた。私が見ていた角度からはほぼゼロ距離。あんな距離でyukihiroさんと話すとか…人のかたちを保っていられる自信がない。

 

一度も音を途切れさせることなく、40分近くDJし続けてくれたOnoderaさん。

無機質なものから、儚げな音色に胸がキュッとするものまで様々な曲を聞かせてくれました。Perfumeみたいだなーと思ったのもあり。

何より御本人がとても楽しそうだったので、見ているこちらも楽しくなりました。

 

19:30頃、ステージにスタッフさんが2名出てきて、それぞれチェックを始める。

このタイミングで一度裏へと下げられたマイクスタンド。

高さ調整?→まさかyukihiroさんヒール高めで来ちゃう??

と、そわそわしたものの、戻ってきたスタンドはほとんど高さ変わらず。(むしろ変わってないんじゃ?)

yukihiroさんの靴が前日とは違ったらしいので、それで再確認したのかな。

 

DJでグイグイとテンションを上げてもらったところでサポートメンバーの2人が登場。

会場からはその2人とOnoderaさんへ拍手が向けられる。

ほどなくして、サポートメンバーと同じように下手奥からやってきたyukihiroさん。

 

みぞおちあたりまで届く長い髪は、毛先だけコテでゆるく巻いたようにカールしていて、それ以外は非常にラフ。ドライヤーでざっと乾かしただけみたいな。

オレンジもしくは明るめのブラウン系のアイシャドウ。アイラインは上下に入っていたように見えた。キリッとつり上がった眉にマットな肌。

黒のシンプルなパーカーで正面にプリントあり、左裾には2本の紐が垂れてる。

ダメージ加工されたインナーの裾がパーカーの下に見える。

右ひざ部分のみクラッシュ加工が施された黒スキニー、肌色がちらちら。

甲部分に特徴的な模様のあるウエスタンブーツ。久しぶりに男っぽい。

指輪は右手人差し指・中指と、左手小指。右手首には最近お気に入りっぽいバングル。それとは別にもうひとつ細めのも。

 

さっそくスタンドからマイクを抜き取る。

yukihiroさんの斜め左足元のモニターには黒い布がかけられたまま。

それを目にするや、ステージ端に控えてたスタッフさんにあごで指示を出す。慌てて布を外すスタッフさん。貼り付けられてる黒い紙には今日のセットリストと歌詞。

yukihiroさんの無言の圧力たるや。なぜか私がものすごい緊張した。笑

 

そしていよいよライヴ開始。聞こえてきたのはecho。昨日とセトリ変えてきた…!

ハンドマイクでのechoはかなり新鮮。そして夢にまで見た最前ドセンだけど、毎度のことながら照明が薄暗いのでyukihiroさんがどこを見ているのか、果たして今目が合っているのか判別がつかない。

でも「あ…これ今見られてる…?」と感じるときが多々ありどんな顔すればいいのかわからなくなる。(綾波)

 

そしてyukihiroさんの顔小さいこと。おでこの横幅とか顔そのものの大きさとか、常人離れした小ささに思えた。

顔のパーツもいつも以上にリアルに感じられる。目を閉じたときにくっきりと浮き出るアイホール

精巧に作られた人形のような造形で、改めて違う次元の人なんだなと実感。

 

echoはメロとサビの緩急がすごく気持ちいい。

サビでは左右に体重移動するように弾みスネアのリズムに合わせる。でも「はじめから気づいてた」に入ると歌に集中して動きが変わる。

目閉じて口を大きく開け、絞り出すような歌い方。マイクを握る手にも力がこもる。その右手親指の先から透けて見える、少し伸びた爪の先。手の平側からのぞく爪が見える距離ってなかなかだな…と、こんなところで興奮してごめんなさいと思いながらめちゃくちゃ興奮した。笑

ところどころでお腹に左手を添えるしぐさに、去年の台北公演を思い出す。緊張感が伝わってくる。

 

 

imagining noises

まさかフルでセトリ変えてきた?予想外の展開。

ささやくように歌い出し、1フレーズ歌い終わるごとにマイクを下におろし唇をツンと尖らせてフロアを見渡す。見下しいただきました〜。

only in my headだけ口パクで歌ってくれるのはどういう理由からなんだろう。わかっててもあの煽り方されると心臓が1回止まる。

小刻みに内・外と交互につま先を振ってリズムをとるの、すごくyukihiroさんらしいなといつも思う。独特。

 

gamble

開始直後KAZUYAさんの手が止まる。トラブったのかミスだったのか。もしかしたら一旦曲止めるかも…とハラハラ。

でも当の本人もyukihiroさんも顔色一つ変えず、しっかりとリカバリー。

特にyukihiroさんに関してはKAZUYAさんの方ををちらっと見ることすらせず、きっと戻ってくると信じて待ってる感さえあった。

色んな場面を乗り越えてきた3人だからこそ(去年海外も成功させたし)、確かな信頼があるんだろうな。

 

gambleになると明らかに攻撃モードに切り替わるyukihiroさん。足をガッと広げて腰を落とし体を低く構える。

両手でマイクを握って口元に持っていくので顔の下半分はほぼ見えない。さらに、うつむき気味に歌うと顔のほとんどが長い髪に覆われる。

その状態からクイッと顔を上げると、唯一見えてる顔の中心部分でギラギラと圧倒的な存在感を放つ2つの目。

光が差し込んで銀色に輝いた目が、確実な殺意を持って(少なくともその瞬間はそう感じた)まっすぐにこちらを睨む。そうなるともう一切の身動きが取れなくなる。

歌に入る前と歌い終わった直後にその視線が突き刺さってきて、あ・これ逃げられないやつだ、と察する。

キーが上がったり歌詞がつまるところになるとまたギュッと目を閉じる。ついさっきまでの殺人的目つきとのギャップがすごい。可愛い。

それまでの2曲ではなかった、歌いながら左手を振り上げたりキックするように左足を前に出す動きも出てきた。

 

 

この流れでのdress。緩急の申し子yukihiroさん。

7月の川崎ではスタンドありだったけどこの日はハンドマイク。昨日聞けなくて寂しかったからめちゃくちゃ嬉しい。

カンペを見るように、時々視線が斜め下に落ちる。

両手でマイクを包み込んで歌ったとき、左腕の外側に髪の束がかかってたのに思わず見惚れた。改めて思い知らされる髪の長さ。自然と腕の外側に髪が垂れるのって相当な長さがないと起こらない現象だと思うんだよなあ。

体の輪郭をなぞるように流れた髪と、胸の前におろされた髪。ゆるく巻かれた毛先が体の動きに合わせてほんのり揺れる。

 

今までは寸分の狂いもなく毛先までまっすぐにセットされてたし、衣装もカチッとしてたけど、今回のalcoveに関してはいろんな点がラフというかカジュアルというかナチュラルというか…

いい意味で少し力が抜けてる。それはこういうイベントだからなのか、最近のyukihiroさんの好みなのかはわからないけど、見るたびに変化するACIDがすごく面白い。

来年のツアーも、もしかすると今までとは違うスタイルになるんじゃないかと今から楽しみ。

 

照明が薄暗く、この距離で見ていてもよくわからない視線の行方。角度によって目に光が入ったときには、真っ黒な瞳の中がキラッと光る。これがgambleでの目とは全然違って見えるから不思議。目の表面が水分で潤ってるがゆえの澄み切った光がすごくきれいで、その瞬間はまっすぐこちらを見られてるような感覚になる。

そんな目と、dressが持つ艶っぽい雰囲気とが相まって、なんともいえないダークで大人な時間に。

さらに1フレーズ歌い終わるごとに口を「オ」のかたちにしてて、口の動きだけで色気が200%増し。

 

 

rosesにてマイクスタンド設置。ステージ床に貼られたバミリに合わせてきっちりと中央に揃える几帳面さ。

この曲では天を仰いで目を閉じたときの表情がただただ神々しかった。

マイクに両手をもたれ、ひとつひとつの言葉を丁寧に。ふと首を後ろに倒し軽く目を閉じて気持ちを落ち着かせるように息を吐き、首を起こしてマイクに口元を戻す。

この動作を何度も何度も繰り返す。顔を上げたときは少し脱力しているように見え、でも次の瞬間にはやや勢いよく首を振り下ろしていて、静かながらも声に力が込められてた。

決して派手な動きがあったわけじゃないのに心と目がものすごく惹きつけられた時間。訴えかけてくる何かがあった。

それとは別に、優しく目を閉じたときのタレ目にも心臓鷲掴み。あんまり可愛い連呼するのは違うなと思うけどあれは可愛かったから仕方ない。

 

 

unsaid

rosesが終わるとギターを持ったスタッフさんが出てきて、フロアに背を向けてたyukihiroさんの肩にかける。

このまま昨日とはセトリまるまる変えるかもと思ってたので、正直ここでめちゃくちゃ安心しました。unsaidだけは…!unsaidだけはどうしても聞きたかったしちゃんと見たかった。昨日は人の頭に被ってほぼ見えなかったから。

 

こちらに振り返るとネックに挟んであったピックをとりギターを構える。

隣りにいるKAZUYAさんと見比べてみると、ギターの位置が対照的とも思えるほどに違う。KAZUYAさんが高めなのかyukihiroさんが低すぎるのか、同じ楽器を持ってるとは思えない高低差。

しかもyukihiroさんは歌ってたときよりも一歩奥へ下がっていて、どうりでこりゃ昨日は何も見えなかったはずだわと納得。

今回のalcoveが2日間だったこと、チケットが両日取れたこと、セットリストに大好きなunsaidを入れてくれたこと、久しぶりにギターを弾いてくれたこと、そしてそれを一番前の真正面で見れたこと、どれかひとつでも欠けてたら今この最高の瞬間を味わうことはできてなかったんだなと、ひたすら喜びを噛み締めてました。この世のすべてに感謝。

 

聞き慣れた、それでいて毎回心臓がキュッとなるイントロが静かにSPACE ODDに浸透していく。ステージ上の3人はギターや自分の足元に視線を落とす。

誰も演奏していない、誰も歌ってない。スピーカーから流れてくる音を、この会場内にいる全員がただただ耳を澄まして聞いているだけの時間。それが成立してしまうのはunsaidが持つ唯一無二の世界観によるものだし、そんな曲を何年も前に生み出したyukihiroさんの感覚には恐ろしささえ感じる。

 

それまではフロントマンとしての絶対的なオーラを放っていたyukihiroさんが、今では完全にオーラを消してる。落ち着いた様子で左右の手をそれぞれのポジションに持っていくと、なんの合図もアクションもなく淡々と演奏に入った。

 

パワーコードをおさえる左手は、人差し指と小指で弦をおさえ、中指と薬指は揃ってピンと伸ばされた状態。第1関節を反らすようにして曲げられた人差し指、第5弦さえ軽々届いてしまう小指。弦をおさえていなくても、少し力んでいるように見える中指薬指。その絶妙な力の入り具合が指の造形の美しさを何倍にも高める。

おさえる弦自体は変わらずに、ネックの上を真横にスライドする。そのときに若干の緊張が伝わってくる。決して滑らかな動きではないけど、それがいい。こんなところで本職がドラマーであることを実感してちょっとにやり。

控えめに言って丸々1曲左手しか見てませんでした。それくらい完璧な美しさ。どストライク。

 

パーカー・スキニー・ローヒールのブーツ、そしてラフなヘアスタイルという見た目もあり、いい意味でふつうのロックなお兄さん。ただし手の美しさが異常。

そして345ちゃんの透き通った歌声。1日目は気付かなかったけど、歌詞日本語でしたね。「〜な記憶」とか、ちょっと悲しげな歌詞だったように思う。歌ひとつ変わるだけで全く別の印象になるからほんとに不思議。でもunsaidの世界観は損なわれない。きっとunsaidに女性ボーカルが乗ったらかっこよくなると考えてアレンジしたんだろうな。そこで345ちゃんを選ぶっていうのがもう。もう。こんな幸せな世界ありますか?

 

曲が終わるとピックをそっと弦に挟む。だいたい第5フレットらへん。ちなみに最初もそこに挟んであったので恐らく元あった場所にまたきれいに戻した様子。几帳面がとまらない。

スタッフさんがギターをそっと抱えるようにしてyukihiroさんの体から外す。その間両手を体の側面にピタッとあて、気をつけの姿勢でされるがままのyukihiroさん。可愛い。可愛い。

 

 

マイクスタンドに歩み寄り、再び歌う姿勢をとる。

低音がメインになり、重みと暗さを感じるa moon tonight。

キーが上がるところでは絞り出すように声を出す。たまに天井に向けられる視線。

 

 

Ashes to Ashes 

原曲とはかけ離れたイントロ、でもすぐにあの特徴的なギターが聞こえてくる。1日目に聞いたときは、まさかあの曲を…?yukihiroさんが本当に…??と驚きが隠せませんでした。あのドキドキ感は、川崎でELECTRIC CUCUMBERが流れてきたときと同じだっただろうな。

ACID仕様のAshes to Ashesはテンポゆっくり。a moon tonightと同じく重さがある。

Do you remember a guy that's beenからの冒頭3フレーズ、本家は裏声で歌ってるけどyukihiroさんはどうだったんだろう。別の声も同時に流れてたから判別が難しかった。

They got a message from the Action Manからはyukihiroさんの声がはっきりと聞こえる。I'm happy, hope you're happy tooめちゃくちゃグッときた。

次のI've loved all I've needed to loveに行く前に足元の歌詞が書かれた紙に視線を落とす。

ちょっと練習したくらいでは覚えられなさそうな難しい譜割りのパートも忠実に歌い上げてたのはさすが。たくさん練習したんだろうな。

サビのAshes to ashes, funk to funkyでAshesとfunkの頭に強めのアクセントがついてたのがよかった。歌だけじゃなくギターやドラムも揃ってたのが尚更かっこいい。

終始マイクに乗せたままの両手。左手の上に被せた右手の親指がピクピクと小さく動く。

 

I never done good/bad thingsにて、goodとbadのdをはっきりめに発音。My mother said to get things doneからは下を見ずに最後まで歌い切る。

スタンドから1歩後ろに下がり最後の音が聞こえなくなるまで静止、そして深々とお辞儀。最後の曲以外でお辞儀するの珍しい。

曲の間カメラマンさんいっぱい写真撮ってたのでぜひともアップしてほしい。

 

chill

イントロでお客様が盛り上がるのを確認するとスタンドからマイクを外す。

ドラムに合わせて腕を振るなど動きが出てきて、サビに向けて左手を前に差し出すことも増えてきた。

yukihiroさんがまっすぐ伸ばした左手と私が伸ばした右手がちょうど向かい合って、あと30cm、いや15cm腕が長ければ触れられてたように思う。

さっきよりも照明が少し明るくなって、表情がしっかり確認できる。目の閉じ方、口の開き方すべてが一生懸命。今出せる全力でこの曲を歌い切るという気合いが伝わってくるような歌い方。かっこつけようとか見た目を気にするような素振りは一切見られず。それくらい一生懸命な表情でした。

目を閉じて全身全霊で歌うとき、やっぱり目尻が下がる。その表情が子どもみたいであまりにも可愛くて思わず笑ってしまった(決して嘲笑ではなく)。

何を考えながら歌ってるんだろう。yukihiroさんが追い求めてる光景はどんなものなんだろう。気付いたら、全力で声を振り絞るyukihiroさんの姿をただただ見守ってた。

背中から光を浴びて左手を高々と掲げた姿に、会場からは大きな歓声が上がる。

 

 

chaotic equal thing

chillで可愛いと思ったあの人と今目の前にいる人は同一人物??

あの変貌ぶりにはいつも本当に驚かされる。獲物に襲いかかる直前の肉食獣のように体を低く構え鋭い目であちこち睨みまくる。

 

両手で握りしめたマイクに覆い被さるように背中を丸めると、長い髪がすっぽりと顔を覆う。頭頂部の髪の分け目がしっかり見えたのがなんだか新鮮。

 

曲間に後ろを向いたと思うと、右脇の下を何やら気にしてる様子。そこには不自然なシワのような折り目のようなものが。

まさかあそこでパカッと服が開いて授乳服みたいなったらすごいなーという考えが一瞬だけ浮かんだけど、このときはまだ全然油断してた。後であんなことになるとは…

 

yukihiroさんがくるりとこちらに振り返ると、場内の期待に応えるかのように流れ出したlet’s dance。お客さんは今日イチのテンション。

その様子を見つめるyukihiroさんの顔には少し疲れが。不安に感じたものの、それまでと変わらない気迫で歌い上げ、声と体でとにかく煽りまくる。

サビ前の掛け合い部分では、真っ直ぐに指を差したり、ひとりひとりのお客さんをじっくり見渡していて、ステージとフロアががっちり噛み合ってたように感じた。

 

サビに入るとさらに前に出てきて、一層距離が近くなる。

歌いながら左腕を体の後ろに回し、足は大きく開いて少し踏ん反るような姿勢でフロアに圧をかけまくる。ELECTRIC CUCUMBERのときもやったであろう背中越しにチラ見せしてくる魅惑の指つき(手さばき)がこの日も絶好調。ファンの弄び方を完全に把握してるyukihiroさん。

 

カウントダウンで見せるあの麗しの指立てを、遮るものなく見れる日が来るとは…!

スラッと伸びた人差し指が美しいのはもちろんのこと、意図的かはたまた無意識に伸ばされた小指も最高にファビュラスで思わずへらっと笑ってしまった気がする。

指立てだけでも十分すぎるのに、ステージ端ギリギリのところに立っててくれて、ちょっといたずらっぽく笑いながらあのポーズしたんですよ…(フィルター100万枚くらいかかってる可能性あり)

それは…やっちゃダメなやつ…!

目の前の光景が幸せすぎてここが天国かとわりと本気で思いました。

 

そしてここでパーカーの胸元がななめに開いていることに気付く。インナーは前面に写真がプリントされたTシャツ?ギターを持つ男の人の手が見えたような。ていうかそんなお洋服…!胸元はだけるパーカーなんて破廉恥!

 

 

violent parade

高速で点滅するライトの中、ほんの数10センチ先にいたyukihiroさんの顔がいまだに忘れられない。目には熱がこもってキラキラしてて、しっかりと客席を見てくれてる。優しい表情にも見えた。

最後のサビでモニターに左足を乗せ、シャウトするときのように体を折り曲げて歌うのがかっこよすぎた。yukihiroさんからバンバン放たれるエネルギーに引きつけられて、私も周りのお客さんもみんな夢中になってた。

 

今回のalcoveはDJも含めて照明がすごく凝っててかっこよかったけど、唯一violent paradeの最後がもったいなかったかも。

最後の最後でyukihiroさんが右手を掲げてガッツポーズをしてくれたのとほぼ同時に照明が全部落ちて真っ暗に。

ほんの一瞬しか見えなかったyukihiroさんの姿。もし真っ暗になるのがあと1秒遅かったら、ものすごいかっこいい瞬間が見られたんじゃ…と悔やまれる。

とは言っても、かっこいい演出の方が圧倒的に多かったのでスタッフの方々には本当に感謝しかないです。演出によって曲の感じ方やステージ上の人の見え方が180度変わったりするから、ライヴ演出はいつも楽しみ。

 

 

violator

この流れでviolatorを持ってくるあたり、yukihiroさんにとって大切な曲なんだろうなと思う。お客さんもすごく盛り上がるから、もしかすると私たちのためにやってくれてるのかもしれないけど。

chaotic→let’s dance→violent paradeときてかなり昂ぶってる様子なのに、マイクスタンド設置。(もちろんバミリに正確に)

この日のviolatorはとにかくyukihiroさんの中の雄が抑えきれずに暴れ回ってました。

マイクスタンドの前で歌うものの、体も気持ちも落ち着かなくて近づいたり離れたりを頻繁に繰り返す。マイクに両手を乗せてたかと思えば、突然パッと離し、今度はかっさらうように掴みかかる。マイクを迎えに行く手がバタバタしてて、力もうまくコントロールできてない。

サビに入るといよいよ抑えきれなくなり、マイクを外して歌う。そのままでいくかと思いきや、間奏になると乱暴にスタンドに戻す。

あんなに落ち着きのないyukihiroさんの姿はなかなか見たことない。この日一番壊れてた。

いつもだったらマイクの集音部分(先端の丸いとこ)がちゃんと口元に向くようにしてスタンドにセットするのに、この時はそれさえもせず、乱暴に差されたマイクが天井を向いてた。

 

今までになく荒々しく強引なのに、目を閉じて声を張り上げる顔は泣き出しそうな子どもの顔にも見えたりして、もはや処理能力が追いつかない。あの荒ぶりは一体なんだったんです?

 

体から出る熱気で、ライヴ開始時よりも若干広がった髪。首周りにはりつく髪を暑そうに振り払う。

 

オーラが目に見えそうなほど達成感に満ち溢れたyukihiroさん、右手を挙げてフロアに挨拶。すると見えるはずのない肌色が…!?

あろうことか、胸元だけじゃなく脇の下までガッツリ開くパーカーだった…!

ほんの一瞬の出来事だったけど確かにあれは素肌だった。脇だった。黒いのもしっかりあったし。笑

 

動揺するお客さんを残しステージ下手奥の通路を通って、ひとり裏へ帰る。

やや低めのドアのへりに両手をついて体を屈めながら。

 

ステージに残ったメンバー2人に、スタッフさんが「待ってて」と手を合図を送る。

そのときはアンコールだと思ったけど、単に1曲飛ばしただけだったらしい。それか一呼吸しに行ったか。

 

すぐに戻ってきたyukihiroさん。胸元は開いたまま。心の中でガッツポーズしたのは言うまでもなく。

昨日オープニングだったashesが今日のラスト。この2日間を通して「ashes to ashes」を見事にやってくれました。

 

violatorで見せたような気力はもう残ってなかったようだけど、昨日とは違うashesでした。

最後の力を出し切るように。マイクにすがって歌う様に胸がキュッとなる。

 

最後はまた深々とお辞儀をして、振り返ることなくステージ裏へ。

KAZUYAさん・山口さんもそれぞれフロアに挨拶をしてから帰っていきました。

この2人の演奏を間近で見て味わうことができたのも本当によかった。let’s danceでのギターアレンジがたまらなくかっこよくて前のめりに聞き入ってしまったし、山口さんはものすごいACIDの曲を研究してるんだろうなと思う。1日目では、チャイナのキレの良さに惚れました。

 

 

 

改めて今回のalcoveも最高でした。2日間見ることができて本当に嬉しく思います。

DJリストは2日間で全く別にしてくれたしその上全曲公開してくれて、ゲストで来てくださったハヤシさん、onoderaさんもalcoveの雰囲気にあった曲を流してくれてすごくかっこよかったし、音に任せて体を揺らす時間が最高に気持ちよかったです。

 

以前デペッシュ・モードをカバーしたalcoveもあったけど、今回はyukihiroさんがフロントでのデヴィッド・ボウイカバー。

ACID風に解釈したAshes to Ashesは尊敬の想いとyukihiroさんのセンスの両方が感じられる素晴らしい仕上がりで、切実に音源として欲しいくらい。

 

yukihiroさんの好きなものを同じ空間で共有できるのは本当に贅沢なことですよね。

必要以上のことは語らないし過度なサービスもしないけど、こういう場を定期的に設けてくれる優しさは他のアーティストにはないように思います。

 

そして何より嬉しいのが次の予定が決まってること。しかも全国ツアーって…サプライズにも程がある。涙

今回unsaidとa moon tonightに新たなアレンジが施されてたし、来年ツアーをやるってことはyukihiroさんの中でまた新たな意欲が湧いてきたんじゃないかと勝手に期待してます。

どんなライヴを見せてくれるのか、今までの曲が新たに生まれ変わるのか、はたまた新作を聞かせてくれるのか…

いずれにせよ、ACID ANDROIDが表現するものを自分の目と耳で感じることができたらそれが一番の幸せです。

 

素敵な夜をありがとうございました。

来年の春も楽しみにしてます。

(まずはEX THEATERのAA席が当たりますように…)